運動後の筋肉痛、その正体は?—DOMSの科学的メカニズム

こんにちは!刈谷市のパーソナルジムAct.代表トレーナーの竹内です!

運動を頑張った後に出現する筋肉痛。翌日から動きにくくて困った経験が一度はみなさんあるのではないでしょうか?

今回はその筋肉痛について専門的にまとめてみました。こういった内部の知識も知っておくことで、不安が減りトレーニングに打ち込めます。それでは本文をどうぞ!

1. エキセントリック運動と筋損傷の関係

エキセントリック運動(筋肉が伸びながら力を発揮する運動)は、筋損傷の主な原因とされています。例えばスクワットでしゃがむ時はこのエキセントリック運動です。このタイプの運動は、筋原線維や結合組織に微細な損傷を引き起こし、筋力低下や可動域の制限をもたらすことがあります。特に、普段使われていない筋肉や動作に対して行うと、これらの症状が顕著に現れます。

2. 遅発性筋肉痛(DOMS)の発症メカニズム

DOMSは、運動後12〜24時間で発症し、48時間前後でピークに達する筋肉痛です。その原因として、筋肉の微細損傷や炎症反応が挙げられますが、近年の研究では、神経栄養因子であるNGF(神経成長因子)やGDNF(グリア細胞株由来神経栄養因子)の関与が示唆されています。これらの因子は、筋肉内での痛みの感受性を高め、DOMSの発症に寄与していると考えられています。 PubMed

3. 繰り返し効果(Repeated Bout Effect:RBE)

同じ運動を繰り返すことで、筋肉がその刺激に適応し、損傷や痛みが軽減される現象をRBEと呼びます。この効果は、神経系の適応や筋・腱複合体の構造的変化、細胞外マトリックスの強化など、複数の要因によって引き起こされます。特に、初回のエキセントリック運動後に適切な回復期間を設けることで、次回以降の運動での筋損傷リスクを低減できます。

4. 高齢者における筋損傷と回復

年齢を重ねると、筋肉の回復力が低下し、EIMDやDOMSの影響が長引く傾向があります。そのため、40〜50代の方々は、運動強度や頻度を適切に調整し、十分な休息と栄養を確保することが重要です。また、クレアチンなどの栄養補助食品が、筋肉の回復をサポートする可能性があると報告されています。


まとめ

運動による筋肉痛や損傷は、適切な知識と対策によって予防・軽減が可能です。特に、エキセントリック運動の特性やDOMSの発症メカニズムを理解し、RBEを活用することで、より安全かつ効果的なトレーニングが実現できます。40〜50代の主婦の皆様も、日常生活の中で無理なく取り入れられる運動習慣を築き、健康的な体づくりを目指しましょう!


参考文献:

  1. Murase S, et al. “Delayed onset muscle soreness: Involvement of neurotrophic factors.” J Physiol Sci. 2016;66(1):43-52. BioMed Central+1PubMed+1
  2. Margaritelis NV, et al. “Muscle damage and inflammation after eccentric exercise: can the repeated bout effect be removed?” Physiol Rep. 2015;3(7):e12648. physoc.onlinelibrary.wiley.com+1PubMed+1
  3. Taguchi T, et al. “Bradykinin and nerve growth factor play pivotal roles in muscular mechanical hyperalgesia after exercise (delayed-onset muscle soreness).” J Neurosci. 2010;30(10):3752-3761. BioMed Central+5PubMed+5PMC+5

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