こんにちは!刈谷市のパーソナルジムAct.代表トレーナーの竹内です!
筋トレといえば「筋肉を大きくする」ことが注目されがちですが、実は筋出力(筋力)と筋肥大は別物。
この違いを理解することが、リハビリからボディメイクまで、効果的なトレーニングに直結します。
本記事では、筋肉が成長するメカニズムを科学的に解説し、なぜ鍛え方次第で成果が変わるのかを紐解いていきます。
筋出力(筋力)とは?
筋出力(muscle strength)は、筋肉が発揮できる力の大きさを指します。
これは必ずしも「筋肉が大きい=力が強い」とは限りません。
特にトレーニングの初期段階では、神経系の適応が中心となって筋出力が向上します。
神経系の適応とは?
・運動単位(運動神経+筋繊維)の動員数の増加
・発火頻度の上昇(rate coding)
・拮抗筋の抑制による主動筋の効率的な活動
このような神経的な変化により、筋肉のサイズがあまり変わらなくても「持ち上げられる重さ」が増えます【Sale, 1988】【Del Vecchio et al., 2019】。
筋肥大(Hypertrophy)とは?
筋肥大とは、筋繊維の太さ(直径)が増すこと。
特にタイプⅡ(速筋)繊維のサイズが増えることで、見た目に「筋肉が大きくなった」と実感されます。
筋肥大のメカニズム
筋肥大は主に以下の3つの刺激によって促されます【Schoenfeld, 2010】:
- メカニカルテンション(張力):高重量・高負荷による筋繊維への直接的刺激
- 筋損傷:筋繊維の微細な破壊とその修復過程
- 代謝ストレス:乳酸や水素イオンの蓄積など、パンプ感を伴う刺激
これらの刺激が加わると、筋細胞核の数が増え(サテライト細胞の活性化)、mTOR経路などの細胞内シグナルを介して筋タンパク質合成が亢進します【Bodine et al., 2001】【Phillips, 2000】。
筋出力と筋肥大はどう違う?
項目 | 筋出力(Strength) | 筋肥大(Hypertrophy) |
---|---|---|
主な向上因子 | 神経系の適応(ニューロン) | 筋繊維の構造変化(筋タンパク合成) |
初期効果 | 数週間で実感しやすい | 数か月の継続が必要 |
外見の変化 | 少ないことが多い | 明確に筋肉の太さが増す |
トレーニング法 | 高重量・低回数 | 中〜高負荷・中回数 |
両者は独立しているが連動もするため、目的によってトレーニングの配分を変えることが重要です。
リハビリや日常動作にどう応用する?
例えば、術後のリハビリや高齢者の転倒予防では、まず神経系の再教育(筋出力)を重視します。
関節が安定してから筋肥大を目指すことで、段階的かつ安全に身体機能を高めることができます。
逆に、見た目を重視したボディメイクでは、筋肥大を効率よく引き出すメニュー設計が求められます。
パーソナルトレーニングの価値とは?
筋出力と筋肥大、それぞれの仕組みを知ったうえで、自分の目的や身体の状態に合った負荷・種目・頻度を選ぶことが重要です。
パーソナルジム Act.では、リハビリ目的の方からボディメイク志向の方まで、それぞれの目的に応じた科学的アプローチでサポートしています。
見た目だけでなく、「動ける身体」や「将来の健康資産」を手に入れたい方は、ぜひ一度体験トレーニングにお越しください。
参考文献(抜粋)
Sale, D. G. (1988). Neural adaptation to resistance training. Medicine and Science in Sports and Exercise, 20(5), S135–S145.
Schoenfeld, B. J. (2010). The mechanisms of muscle hypertrophy and their application to resistance training. Journal of Strength and Conditioning Research, 24(10), 2857–2872.
Phillips, S. M. (2000). Short-term training: when do repeated bouts of resistance exercise become training? Canadian Journal of Applied Physiology, 25(3), 185–193.
Del Vecchio, A., et al. (2019). The increase in muscle force after 4 weeks of strength training is mediated by adaptations in motor unit recruitment and rate coding. Journal of Physiology, 597(7), 1873–1887.
Bodine, S. C., et al. (2001). Akt/mTOR pathway is a crucial regulator of skeletal muscle hypertrophy and can prevent muscle atrophy in vivo. Nature Cell Biology, 3(11), 1014–1019.
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