「腰が痛い」と訴えて来院される患者さんを、整形外科で8年間みてきました。

そのほとんどが、腰そのものより股関節の動きに問題を抱えていました。

今日は、「腰の痛みと股関節の関係」というあまり知られていないメカニズムをお伝えします。

股関節が硬いと、腰が代わりに「仕事」をする

日常の動作——しゃがむ・前に倒れる・立ち上がる——これらは本来、股関節が担うべき動きです。

股関節の可動域が制限されると、身体はその動きを腰椎で代償しようとします。

本来は動かなくていい腰椎が繰り返し動かされることで、椎間板や椎間関節への負荷が蓄積し、慢性腰痛へとつながります。

同じことが膝にも起きます。股関節の動きが制限されると、膝関節が代わりに使われる。これが「膝が痛い」の原因になることがあります。

股関節が硬くなる3つの理由

① 長時間の座位
デスクワークや車の運転が多い方は、腸腰筋(股関節屈曲筋)が縮んだまま固まりやすい状態です。

② 使う方向の偏り
人間の身体は解剖学的に左右非対称であり、多くの方が右側重心になりやすい構造を持っています。右ばかり使うことで左右の動きのバランスが崩れ、股関節の動きに制限が生まれます。

③ 呼吸パターンの乱れ
横隔膜は腰椎の前側に付着しています。呼吸が浅いと横隔膜の動きが制限され、腸腰筋との連動が乱れて股関節の動きに影響します。

股関節から整えることで、腰と膝が楽になる

「腰痛のためにストレッチを始めました」という方に腰まわりのストレッチだけを続けてもらうより、股関節の可動域を改善するアプローチに切り替えたほうが、多くの場合で早く変化が現れます。

具体的には、股関節の内旋・外旋の動きを丁寧に引き出すエクササイズと、それを支える腹壁の活性化を同時に行うことが重要です。

「腰が痛いから腰を揉む」ではなく、「なぜ腰に負荷がかかっているのか」を評価して根本から変える——これがAct.のアプローチです。

痛みの出ている場所と、原因の場所は違うことが多い。

腰や膝の痛みに悩んでいる方は、ぜひ一度「股関節の動き」に目を向けてみてください。

身体は、正しく使えばちゃんと応えてくれます。

この記事を書いた人

パーソナルジムAct. 代表:竹内 勇志郎
【保有資格】
柔道整復師(医療国家資格)
JATI-ATI(日本トレーニング指導者資格)
Animal Flow®L2 インストラクター
FMS L1 インストラクター

整形外科で7年、延べ数千人のリハビリに携わってきた「体の専門家」です。
現役アスリートのフィジカルサポートから、自身のサッカー・柔道・クライミング経験を活かした多角的なアプローチを得意としています。

「ただ痩せるだけでなく、不調のない健康な体を手に入れたい」
「今の痛み、どこに相談すればいいか分からない」

そんな方のために、解剖学に基づいた安全な指導で、痛みの根本原因から解決するオーダーメイドの体作りを提案します。
一人でも多くの方の健康を支えることが私の使命です。

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